SUSUMU HIRASAWA TALK EVENT 991226

1999年、今年P-MODELが下半期に展開された結成20周年記念プロジェクト「音楽産業廃棄物P-MODEL OR DIE」を締めくくる一大イベント〜との触れ込みで12月26日に池袋サンシャインシティーアルパ内、噴水広場にて4時間に渡って行われたイベントがこの「平沢縁日」である。

Ψここの噴水広場は屋内吹抜け空間になっており、上からも見下ろす事ができる。周りは店舗が縦横に走っており、通りがかりの客も足を止めて観ていく事ができる空間。ここで、約一時間のトークが3本繰り広げられた。

Ψ当日は、新星堂にてアルバム『ヴァーチュアルライブ』を購入した人に限って「整理券」を発行するという流れであったのだが、午前10時45分から始まる整理券引替えを求める人は朝8時から外で並ばされるのだった(これがまたかなり辛い環境)。用意される席はちなみに自分は前日からアルバム購入もしなかったので最終的に屋内吹抜け1F(地下が会場最深部)の真正面から見下ろす形でポジションを確保することに。

Ψ一幕目 「VL−3発売記念トーク」平沢進×高橋かしこ(ライター)

近年のP-MODEL記事等でもよく拝見し、発売されたばかりの20周年記念本「音楽産業廃棄物」でも中心に執筆を担当した高橋かしこ氏とのP-MODELトークからスタート。平沢はいつも通り黒の上下。話題はのっけからヴァーチュアルライブ3の本編へ。ヴァーチャルライブ3での収録曲についての質問からどんどんマニアックなネタに移行していくが、話を聞いているとそれなりのファンでないと付いていけない流れもアリ。特にかしこ氏が「ヘヴナイザー」「TAINACO-E」の設問に及んだ時のヒラサワの台詞「公共の場でこのような単語を云々」と半分ネタにしつつも(笑)突っ込みを連発していたのが印象的。//途中では後日発売されるライブビデオから「DUSTOIDよ歩行は快適か?」が流される。数台のカメラワークで軽快に動き回る視点でのブラウン管P-MODELは久しぶりの素材。完成が楽しみ。//その後は実際にテーブルにも置かれた目の前の「音楽産業廃棄物」本を手にとり話題がススム。最初にパッケージングについてヒラサワは大変気に入ってるとのことであった。かしこ氏いわく「アイデアは3秒」であったそうだ。(笑)旬のジャケット制作からの付き合いであるというデザインを手掛けた稲垣潔氏(tristero design)についても、ヒラサワは全幅の信頼を置いている。//終盤はカルトPクイズ。三択制の勝ち残り戦。賞品は3位が平沢が撮影で使用した布製音廃腕章と胸プレートセット、2位がメンバー3人のサイン入り音廃パーカー。一位が平沢も首を傾げた、お好みのモノに平沢サイン(笑)という設定であった。それにしても平沢が入退場の度に最高で地上4階近い高さまで吹き上げる噴水が大迫力。

Ψ二幕目 「ネットワーク音楽配信談義」平沢進×土屋泰一(日経ネットナビ編集長)

二幕目は現在のP-MODELがこの音楽産業廃棄物プロジェクトを推し進めるにあたって、最大限の協力を受けている「日経ネットナビ編集部」編集長土屋さんを迎えてのネットワーク配信談義。目の前のテーブルにはパワーブックが置かれてモバイル状態。P-PLANTに接続されて平沢が解説を交えつつP-PLANTを紹介していく。論理空軍のクリップはコンピューター側の問題で再生できなかったが、サンプル曲の「ASTRO HO」低レベルフルサイズを再生し解説をしていた。//土屋氏はヒラサワについて、「非常に先見性を持った人物」と評し、日本コロムビアとの契約を打ち切っての音楽活動に共鳴されたそうだ。最後は来場者にとマウスパッドまでプレゼントしてくれるという気前の良さ。更にこの後にわざわざこの上のフロアまで届けてくれたテスラ姉様には感謝!

Ψ三幕目 「ベルセルクゲーム&サントラ発売記念トーク 」平沢進×杉山一郎(プロデューサー)×島田明(ヤングアニマル)

三幕目は今回ドリームキャスト用ゲームソフトとして発売されている「ベルセルク」サントラをヒラサワが手掛けたことによるトーク。大まかに「ベルセルク」そのものの解説なども交わり、「公共の知らない人に説明」するには一番親切な展開でもあるように感じた。今回の音楽を担当したヒラサワは、制作にも自由度が高く作業を進められたこと、ベルセルクの持つ重さなどのイメージに何処まで近づけるかの難しさを実感したようだ。なお、今回のサントラは各方面でも評判は良いそうで、あるBBSでも音楽について呼応する書き込み多いそうだ。こうして着実にファン層を増やしている。最後にヒラサワは「P-MODELやヒラサワの音楽を聴くリスナーは社会からは変人扱いを受けているが、もし人にヒラサワの音楽を勧める場合はこのベルセルクのサントラを」とのことだった。//このコーナーで最大も見所は平沢進自身による「ベルセルク」プレイ!弱いとぼやきつつもしっかりと最初の場面はクリアしていたヒラサワである。この流れで初めて耳にしたオープニング曲。更に高くなるヒラサワヴォイスであった。//最後はヒラサワサイン色紙の抽選会が行われ、見事幸運な3名がゲット。自分、順当に外れる(笑)

Ψ以上の三幕が繰り広げられたこの日、ライブビデオ延期となったこの日では一番の目玉物販であったと思われる音廃本が早々に売り切れていたそうで、非常に残念。決して平沢進ファンだけに向けられたイベントでは無い今回のイベント内容は、あれだけでは覗き込んだ人には何だったのかが判らないと思われるあたり、少々まとまりに欠けた印象に残ったのが残念だった。


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